アイデアにおけるパタン・ランゲージはつくれるか

Pocket

1781934_514074462052152_3527261923036241899_n

「パタン・ランゲージ」って聞いたことありますでしょうか?
ランゲージというだけに日本語や英語のような言語を想像されるかもしれません。でも、ちょっと違います。 今回は、あまりわかりやすく書けなかったので、時間があるときにでもお読みください。(少し難しい話です)

 

パタン・ランゲージをひとことで言うと

パタン・ランゲージをひとことで説明するならば、「小さなパターンの組み合わせで、その場に最適なアウトプットをつくるもの」と言えます(かなりザックリなのでピンとこないかもしれません)

 

パタン・ランゲージは誰がつくった、どんなものか?

もともとは、クリストファー・アレグザンダー(Christopher Alexander)が1970年代に提唱したもので、まちづくりや設計の創造過程で暗黙的に使われてきたノウハウや指針を知的体系として形式化したものです。

アレグザンダーは、16年もの年月をかけて人々が心地よいと感じる環境を分析し、「座れる階段」「小さな人だまり」など253のパターンを定義しました。このパターンを組み合わせていくことで建築や都市などの生成物を生み出すことができるとしたのです。

パタン・ランゲージのひとつひとつは、課題の発見と、その解決が対になっていることです。こちらの方が、よりツールということを意識してつくられています。

パタン・ランゲージ―環境設計の手引

クリストファー・アレグザンダー 鹿島出版会 1984-12-05
売り上げランキング : 125038

by ヨメレバ

 

パタン・ランゲージによる住宅の生産 (SD選書)

クリストファー アレグザンダー 鹿島出版会 2013-09-11
売り上げランキング : 456521

by ヨメレバ

 

外からの設計ではなく、内生的な力による設計

 

さて、アレグザンダーが提唱したかったことは、何なのでしょうか?
詳細に説明し始めるとかなりの時間がかかってしまうのですが、彼は、住居や都市を、外からの設計によってではなく、内生的な力による「成長する全体」として形づくるべきだと強調してきたことだと言えるでしょう。これは、それまであったような都市の明確な設計図を書いてそれに向かっていくべき「マスタープラン」の廃止、つまり、都市の「漸進的な設計」の提案でした。

 

柄谷行人による批判

 

しかし、ここででてくるのは、この見出した構造を再び設計に持ち込んだときにでてくる矛盾です。

柄谷行人は、アレグザンダーのことをこう評しています。
「より人間的で生きられる都市空間を作ろうとする他の多くのプランナー達と、ひとつの点において決定的にちがっている。それは、彼が自然都市という多様体を、数学的構造に、すなわち秩序に還元できると考えたことである。つまり、プランナーたちの建築的な企てを批判しているにもかかわらず、いわば「建築への意志」がもっとも徹底しているのは彼においてである。アレグザンダーの視点の新しさは、多くの点で構造主義と共通する──前者は集合の順序構造に注目し、後者は集合の代数的(群論的)構造に注目している──けれども、われわれの文脈でいえば、それは「自然が作ったもの」を「思考によって作りなおす」ことにほかならない。そしてそこには、多様なものをめざしているかにみえて、それに対する根本的な敵意がある」(「隠喩としての建築」より)

 

ここで触れられている構造主義とは、文化人類学者のレヴィ=ストロースのことです。彼は、西欧が自認している歴史の先端ではなく、歴史の底に潜む「変わらないもの=構造」を探り出そうとしたと言えます。構造は人間が生得的に与えられた能力によって、長い時間をかけて生成されたものだと言っています。

 

アイデアをつくることに応用可能か

 

さて、アイデア・シンキングに捉え直してみると、どうでしょう。私の中にあるのは、アイデアを発想するという暗黙知的なるものを、そもそも構造化できるのかという疑問です。巷には、こうやったらアイデアを簡単にだせる、という書籍やブログが増えています。しかし、私の中で、そんなものは表層的なものでしかない、という考えもあります。アイデアなんて、考えて考えて、考え尽くすことしかない、という気もしています。

今回の話は、なんだか歯切れが悪くてスミマセン。それでも、言いたかったのは、アイデア・シンキング(アイデアの思考法)ってあるのか、つくることって可能のか、ということを疑問視しながら書いているということです。ツール化する、メソッド化するというのは、飛びつきやすいけれど、本当にそれがワークするものなのか…自省しながら、マイペースにつづけていこうと思います。

最後、書籍をご紹介して終わります。
パタン・ランゲージから派生してこんなものもあります。
Pocket



スポンサーリンク

No Comments

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です