「なんとなく好き」の「なんとなく」を大切にしよう

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さて、もうすぐ週末もおわりです。

週末の終わりにふさわしく、アイデアには至らないすこし「ゆるい」お話をします。

 

さて、みなさん。
今週末は、どこかにおでかけしましたか?

そして、でかけた先で、なにか写真を撮ったりしましたか?

観光スポットや写真スポットでカメラを手にすることは多くあると思います。
でも、それ以外で、何気ないものなのに、ついカメラに収めたくなってしまう風景と出会ったりしませんか?

 

何気ない、けれど、ついカメラにおさめてしまう

 

たとえば、私は、こんな風景と出会うとカメラを向けてしまう傾向があります。

 

・知らない人とも会話が生まれてしまいそうな停車場

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・その先に何があるのかワクワクとした気持ちが芽生える小道

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・まるで景色を切り取ったかのようにみえる部屋越しの景色

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・見るだけではなくつい手で触れたくなってしまうような古びたレンガ

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などなど。

 

この何気ない風景に、なぜ、カメラを向けてしまうのでしょうか?

 

その答えは、私も、そして私以外のみなさんも「なんとなく」という答えが多いような気もします。

 

でも、この「なんとなく好き」って、いいと思いませんか。

 

私自身は、知らない土地に旅にでるのは、なにか観光地に行くというよりも、

ついカメラを向けてしまうような「なんとなく好き」なものとの出会いを、

求めています。

 

もはや、どの観光地も行く前にネットで情報が得られるので、

旅にでる楽しみって自分でこんな何かを「見つける」ことにあるのかもしれません。

 

 

「小さな風景」から何を学ぶか

 

『小さな風景からの学び』(乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室編著)という本が面白かったので紹介します。

 

 

先ほど、私が例で書いたような日常的に存在しているものだけど、人を惹きつけたり、心地よかったりと感じる場所の写真を日本全国で撮影し、まとめたものになります。その数、なんと18,000枚にものぼります!

 

そして、その中から150の「気づき」が導き出されています。

日常の「ささやかな風景」にある「日常空間のゆたかさ」など、難しい理論では語れない、空間の質を考える上でのヒント集のようになっている本です。

 

これまでも建築家が場所のリサーチを行い、類型化し、キーワードを使って分析するノウハウ本は多く見られます。

先日も記事にしたパタン・ランゲージはまさに、類型化し、そこからルール化(言語化)までしています。

(参考記事:「アイデアにおけるパタン・ランゲージはつくれるか」

 

しかし、この本は、結論を明確に示さずに「気づき」にとどめています。

でも、この結論を明確にしないことこそ、この本の魅力になっていると思います。

 

メソッド化せずに、レファレンスにとどめる

 

ひとつひとつがアイデアを生みだす「道具」にまで昇華されていません。悪い言い方をすれば「ゆるい」ものになっていると言えるのですが、この本は一概にそう批判できません。というのは、そういう目的で書かれていないからです。

むしろ、厳密にルール化していくときに抜け落ちてしまうような(「◯◯な感じ」など)ものを大切にしています。

メソッド化せずに、あくまでレファレンスにとどめるのは、そういう「抜け落ちてしまうもの」を抜け落とさないようにしたい、と強く思っているからだと思います。

「なんとなく好き」の中にある「なんとなく」という感覚とは、まさに「この抜け落ちてしまうもの」の中にあると思うのです。

だからこそ、厳密にせずに「なんとなく好き」という感覚をルール化やメソッド化せずに、ゆるやかに集めておく(レファレンス)ことが時として大事なんだと思います。

 

ついつい私は、あらゆるものをルール化やメソッド化したくなります。私に限らず、そういう方は多いと思います。

でも、一方で、それによって「抜け落ちているもの」もあるということです。これは特に、自分に言い聞かせたいと思います。

 

ところで、この本。ページをめくるたびに日本の名もない場所を旅している気持ちにもなれるので、私はインドア派です、という方にもオススメですよ。

 

 

『小さな風景からの学び』
(乾久美子+東京藝術大学 乾久美子研究室編著)

 

 

 

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