「伝える」と「伝わる」を全く別物だと思っていないとコミュニケーションは失敗する

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今回は、アイデアそのものの話から少し離れて、コニュニケーションの話です。

 

いかに良いアイデアをつくるか、ということも大事ですが、どう「伝えていくか」ということも同じくらい大事ですよね。私は、そのときに重要になってくるのが「スタンス」だと思っています。

 

それが、どんなスタンスかといいますと、

「伝える」と「伝わる」は別物ときちんと認識している

ということです。

 

・・・

 

 

そりゃそうだ、って思いますよね。

 

当たり前過ぎる話で、すみません。

多くの人には、わかりきった話です、今日は。

 

 

でも、あえて言います。

 

大きく違うものなんです!

 

声を大にしていいます。

 

とっても違うものなんです!

 

(しつこいですね、すみません)

 

でも、この違いが、コミュニケーションのプロと素人との違い、 と言っていいほど、なのです。

 

 

いかに「伝わらないか」がわかる実験

 

「伝える」と「伝わる」にどれほど乖離があるものなのか、ひと目でわかる実験をしてみましょう。

 

いろんな方に、以下の文章の通りに「絵」を描いてもらいます。

 

折り重なるようにつづく、3つの丘が見えます。1番手前の丘のてっぺん近くに小屋があり、
その下には段々畑が広がり、その脇に生えている草には、
きれいな花が咲いています。
小屋の奥には、大きな木が数本生えています。2番目の丘は、森のように木が生い茂り、
奥に見える丘には、森と畑が半分ずつあります。空は、雲がたくさんでていますが、
雨がいまにも降りそう、というほどではありません。

 

周りの人がどんな絵を書いているかは見ないで、A4の真っ白い紙にペンで書いてもらいます。

もし時間があれば、皆さんも、描いてみてください。

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どんな絵ができあがったでしょうか?

 

実際に、友人たちに描いてもらった絵を紹介します。

 

▽ Aさんの絵 ▽

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▽ Bさんの絵 ▽

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▽ Cさんの絵 ▽

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▽ Dさんの絵 ▽

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いかがでしょうか?

 

誰一人として同じ絵になっていませんよね。

むしろ、これだけバラバラになるのか、と驚くほど異なった絵ができあがりました。

 

でも、考えてみてください。

 

発信した情報は、

全員に対して、全く同じもの

でしたよね?

 

でも、これだけずれてしまうのです。

 

ちなみに、この絵を描いてもらう元となる文章は、この写真を言葉で説明したものでした。

 

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・・・かなりかけ離れていますよね。

絵を描いてもらうためにつくった文章は、伝わっていなかったと言わざるを得ません。

 

きちんと、同じ絵を書いてもらうためには、どうしたらいいでしょう?

 

「紙の右下の角から左に6センチ行って、そこからまっすぐ上に8センチいったところから120度の角度で長さ32センチの線を書いて・・・」

と言わないといけなくなりますよね。本当の正確性を求めて行ったら1万字があっても足りないでしょう。

 

 

情報の発信者と受信者という関係で見てみると…

 

客観的にみてみましょう。

この「伝える」と「伝わる」の関係性は、こう言い換えられるのではないでしょうか?

 

発信する側(=私)が、絵の要素を決定し、

受信する側(=絵を描いた人たち)が、絵をどう描くか決定した。

 

そう、絵をどう描くか決めているのは、発信する側ではなく、受信する側なのです。

コミュニケーションをする上で、発信者の方が強いって思っている方が多いと思うのですが、そうではないのです。決定権限は、すべて受信者にあるのです。

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考えてみれば、当たり前のことを言っているのですが、

もう少し詳しく(しつこく)言います。

 

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発信者は、「伝えたいことを受信者に届けようとする」とあるように、

こう伝えたいという「願望」に近いものでしかありません。

 

そして、受信者は「受信者なりに解釈して発信された情報を聞く」のです。

残念ながら、「受信者なりに」解釈されてしまうのです。

 

「伝わる」ということを「正しく伝える = 正しく伝わる」ことだとすると、それはとても大変なことだとわかっていただけると思います。

 

 

100%は伝わらない、という前提に立ってコミュニケーションする

 

では、どうしたらいいのでしょう?

 

私は、ずっと悩んできました。

でも、学生などに授業をする機会を持つようになって、こう考えるようにしました。

 

「伝えていることの1/3も、伝わっていないだろうな」

 

なんだ、伝えることを諦めたのか、とガッカリされてしまうかもしれませんね。

 

でも、そうではありません。

 

伝わらないと思っているからこそ、真剣に考えたのです。

この授業をやる意味って何か、ということを。

 

つまりこうです。

受験勉強を教える先生でもない自分が授業を行う価値は、正しい知識の伝達ではない。

 

こんな前提にたったとしたら、どんな授業をすればいいのでしょうか。

 

 

「伝える」の先を考える

 

私の場合は、「伝える」の先を、常に意識するようにしています。

私が授業で何かを伝えたとして、その相手が授業前と授業後で何も変化がなかったら、意味はないですよね。

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だから、こう考えてみます。

 

授業を受けた後に、ちょっとだけ自分のことを少しだけ好きになる、といったココロの変化を起こす、とか。

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授業を受けた後に、週に1度くらいはキッチンに立って自炊するようになる、という行動の変化を起こす、とか。

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何かしら、授業を受ける前と後で、変わるということを目標にしています。

 

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コミュニケーションの相手が、「AからA’に変わる」こと。つまり、何かしらの変化を起こすこと。

正しく伝えるということよりも、伝えた先で何をしたいか、その目的達成の方に意識を置いています。

 

このスタンスがとても大事だと思うんです。

 

 

コミュニケーションってなんだろう?

 

昔、友達から、こんな質問をされたことがあります。

 

次のAとBだったら、自己紹介として、どっちが真摯的な態度だと思う?

A: 自分の過去の事実を正しく伝えた結果、自分らしさがいまいち伝わりきらない

B: 自分の過去を多少脚色した結果、自分らしさがきちんと伝わる

 

もちろん、シチュエーションによって答えは変わってくるんだと思いますが、面白い問いだと思いませんか。

自己紹介だけでなく、書く文章とか、話す言葉とかに置き換えてみてください。

さて、どちらが、真摯な態度なんでしょうか?

 

さてさて、最後は、脱線してしまいましたが、今回はこれで終わりです。

 

「伝える」と「伝わる」を、ごちゃっと一緒にしないで線引して考えていただく、それを読者の「A’」だと思って今回の記事を書きました(笑)

 

冒頭に書いた通り、多くの方には当たり前の話だと思います。ですが、基礎の基礎として、意外と忘れがちな話だと思うのであえてクドクドと書かせていただきました。

 

 

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